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フランス/カン[Caen]:イヴァン・ヴォティエ[Ivan Vautier]

訪問:2014/8/22 19:40 ミシュラン1つ星店 (☞ ミシュラングリーンガイドの紹介ページ
評価点:総合★★★☆☆★★★☆☆サービス★★★☆☆雰囲気★★★★☆CP★★★☆☆
アミューズ
▲ピックアップ写真:アミューズ(2人分)

モンサンミッシェルのムール貝の産地で堪能した後は東に進んで、今日の宿を確保してあるカン [Caen] に移動。

初日のロワール地方にある L'Orangerie du Château に続いて、今回の旅で2軒目になるミシュラン星付レストラン(一つ星)を持っているということで決めた宿だ。

今日のルート by 旅レコ
今日のルート(地図をクリックすると、大きな地図が開きます)

グリーンガイドに掲載されていたことで見つけたのだが、ホテルレストランということで宿泊予約と同時にレストランの席も予約を入れておいた。
単独レストランの予約はフランス語が出来ないと厄介だが、宿泊するホテルレストランとなれば英語で気軽にコンタクトできる。(予約して出かけた星付店は、この店が初めて)

店内の雰囲気 テーブルセッティング

店のHPにメニューが掲載されていたので、当初はここだけで「オマールブルー」をいただく計画だったのだが、既に2軒で食べてしまっていたので(前述の最初の1つ星店と、産地であるブルターニュの La Chaumine)どうしようかと悩んだのだが、1つ星店どうしでの比較も面白いだろうと初志貫徹。
Menu homard(€83.00)
 Le Homard que le Chef vous propose dans son menu est un Homard d'environ 700gr (poids vif) par personne et qui n'a jamais séjourné en vivier

Lobster menu
 Lobster about 700gr (live weight) per person, it has never stayed in a fish tank

をお願いすることにした。(店では仏語版のメニューしか出されなかったので、HP掲載ベースで英語版も転記しておいた)

CIDRE DUPONT RESEREVE 私も少しいただいた

まずは、家内が興味を示したシードルをボトルで(€15.00/75cl)。
これ、最安値のグラスワインやカプチーノ(各€9.00)2杯分よりも安い。

アミューズ

アミューズは、2人分が1皿に盛られてきた。
プチコロッケとチーズに、金粉を施した黒いマカロン。

プチコロッケの中身

プチコロッケの中身は、欧州では定番と言える干し鱈ベース。
上品だけど洗練さはなく、本家ポルトガルのバカリャウコロッケの方が美味しく感じる。
ただ、揚げたてという意味では良かった。

マカロンの中身

黒いマカロンの正体はイカ墨だった。
中のクリームにキャビアらしきものが入っているが、劇甘なのに塩分アクセントを感じず。
アミューズに甘い料理って、ちょっと合わないなぁ・・

拡大写真を撮り忘れたが、チーズの上には5ミリ角の干し鱈の塩漬けが乗っていた。

パン(その1)

パンは、ちょっと洒落た金属ボウルで出てきた。
これで2人分となると、それぞれを切って分けるか早い者勝ちになるのだが、夫婦なら問題無いか。

パン(その2)

ボウルの底には、2つクルミパンが隠れていた。
こちらは1個ずついただける。

バター

バターは2種類(無塩発酵と有塩)、洒落た皿に乗って出てきたが、このアンバランスな配置は故意ではなく手抜きだろう。
普段は炭水化物は余計に食べない方針だが、美味しいパンとバターがあると食べてしまうのはフランスならでは。

Mise en bouche:Les coudes
Mise en bouche:Les coudes
en ketchup et sorbet de poivrons grillés et framboise

Appetizer:Elbows
Ketchup and sorbet of roasted peppers and raspberries


ここからが、メニューに記されている料理になる。
海老の部位ごとに分けて出されることになっている。

Les coudes: en ketchup de poivrons grillés et framboise

最初は、エビの爪の付け根の部分。
これを見た感じでは、1尾全部を個人に分けているのではなく、宴会料理のように全部ばらしている感じ。
殻のかけらが2つも入っていたことから、扱いが雑な印象を受けた。

胡椒のアクセントが強く、ケチャップ入りのラズベリーソースは微妙なお味。
ケチャップにしてもラズベリーにしても、それ自体の主張が強いので、海老本来の味を引き立てる料理にはなっていないと思う。

Ketchup and sorbet

右のシャーベット(反対側の上部から撮影したので、変な描写になっている)は、本当にケチャップベース。
ぜんぜん美味しくない。創作度が過ぎるという感じ。

Les pinces
Les pinces
en ravigote de petits coquillages et des légumes aux aromates et herbes fraîches

Claws
As a ravigote with small shellfish and vegetables with aromatics and fresh herbs


次は、爪肉部分。
きれいに剥いて輪切りにしたものを、軽いビネガーと緑野菜のジュースのような感じのスープソースで和えてある。

en ravigote de petits coquillages et des légumes aux aromates et herbes fraîches

スープの中には、生のアサリのむき身、生の小さな海老、茹でた小さなムール貝入り。
モンサンミッシェルのランチで1Kg以上食べてきたムール貝だが、ここまで小型のものは少数派で食べごたえ無し。
ムール貝の塩分だけ強く感じたが、小さな海老が意外にも甘い。

La queue
La queue
snackée / strate de pomme / jus frais / vieille mimolette
cube de crème fraîche et basilic et chaud-froid sur une version 'Chefs d'État' 2014

Tail
Pan fried / apple / fresh juice / mimolette cheese
fresh cream cube and basil


次は待望のテール肉。次の料理もテール肉なので、半身ずつ違った料理で出すようだ。
sur une version 'Chefs d'État' 2014 の意味が分からないが、何かの賞を取ったということかなぁ?

La queue を反対側から

軽く茹でた(フライパンで焼いたと記されているが・・)リンゴを丸ごとスライスし、その上にオマールのテール肉の半身。

テール肉部分をアップ

テール肉部分をアップしてみたが、明らかに小さなもので、メニューに記されている1人700g という表記は、嘘だろう。
半身とはいえ、これだけ身が薄いとオマールの味わいなどあったものではない。

調理は、東南アジアで殻つきの海老焼きを食べたような殻の風味を感じたので、殻のまま焼いて取り出したのだろう。
プリプリ感はあるものの、甘さが足りない印象。
日本で食べたオマールブルーに近い感じなので、鮮度が悪い気がする。
というか、メニューに「水槽に1度も入れたことが無いオマール海老」と書かれていた意味を取り違えていたようだ。

普通なら「身が痩せていない」という良いイメージになるのだが、「捕獲後すぐに冷凍保存した」という意味だと解釈すれば、ここまでの料理で出てきた1尾ずつを捌いたにしては不自然な構成の説明が付く。
でも、身が痩せているので、瞬間冷凍でも説明が付かないか。この質の悪さは、どこから来るのだろう?

追加のパン

美味しいパンを完食したので、追加をお願いしたらバゲットが出てきた。
これが、不思議に不味いバゲット。この格の店で出てきたバゲットが不味いと思ったのは初めてだ。

La queue Et le pigeonneau du Père Philippe
La queue
Et le pigeonneau du Père Philippe / jus aux truffes d'hiver
petite crème de blé noir

Tail
Roasted, young pigeon / lobster juice
chorizo and lobster kibble


2皿目のテール肉は、初日の1つ星店と同様に鳩を合わせてきた。
ソースは完全に肉料理仕様で、英語版に記されているオマールのソースを楽しみにしていたのに違うソースで出てきたのでガッカリ。
おかしいなぁ、と思ってフランス語版を翻訳して見たら、違うではないか。

テール肉をアップ

こちらのテール肉も、どう見ても700gサイズのオマール海老のものではない。
恐らく半分の400g前後のものだろう。(2軒目の店で食べたものと同じか小さいぐらい)
騙された気分だ。

Simplicité apparente framboise
Simplicité apparente framboise
Cuites et crues / crémeux citron vert / sorbet framboise

Raspberries
raw and cooked / green lemon cremeux / raspberries sorbet


デザートは2択だったので、家内と別々のものをお願いした。
こちらは私が引き受けた方だが、レモンクリームをホワイトチョコでシガールのように巻いて固めたもの。

レモンクリームの出来がきわめて平凡で、ホワイトチョコも味が薄くイマイチ。

フランボワーズの中にゼリーが入っている

凝りまくった盛り付けだけという皿だが、フランボワーズの中にまで細工があった。

Chefs d'Etat 2004 'feuillantine'
Chefs d'Etat 2004 'feuillantine'
Feuillantine des Chefs d'État 2004

Chocolate, gingerbread and apricot coulis
chocolat, pain d'épices et coulis d'abricot


チョコを選んだ家内は、星付店が出すようなチョコレートではないとご不満。
この盛り付けに手をかけるぐらいなら、見栄えは悪くても良い材料を使ってくれないとミシュランの星を傷つけるものだと。

フランボワーズのソルベ アプリコットのソルベ

それぞれに付いていたフルーツソルベの写真も載せておこう。
ソルベは濃厚なお味だが、市販ピュレのままという気もしないでもない。
デザートは完全に見栄えだけのものだった。

小菓子

小菓子でもマカロンが出てきたが、こちらはオーソドックスなもの。
カップ側は、ココナツクリームの下に2ミリ角にカットされたパイナップルの水煮(缶詰?)という構成で安っぽいお味。

ところで、普通なら小菓子はデザートを食べた後に出てきそうなものだが(フランスでの過去の経験から、必ずしもそうではなく、1皿目のデザートとして先に出てきたりもする)、ここでは先に紹介した皿のほかに、この小菓子も同時に出てきたのだ。
都合3皿のデザートが同時に出て来たので、閉口してしまった。

それに、デザートの前にあるべきチーズは案内すらなかったし、メニュー上にも存在せず。
いったい、どんな運用をしているのだろうか?
それとも、これが私があまり好まない現代フレンチの作法なのだろうか??

以上でおしまいだが、ここで総括と行きたい。

全体的に、調理技術の水準が星付店とは思えない低さには驚いたし、食材の質も悪い。
注文した時に「ツーリストメニュー」だと言っていた(メニュー上にはどこにも書かれていない)が、安さだけを売りにするツーリストメニューらしいコースだったのだ。といっても、次のランクの店名の入ったコースとの価格差は12ユーロだけで、現在の円相場に換算すると12000円になるので、決して安いコースというわけではない。

初日に同じ1つ星店である L'Orangerie du Château で食べたオマールコースの方が安いうえに、調理アプローチも多彩で水準も高く、サービスも機械的ではなく心がこもっていたことから、今まですべて★5つ相当とランクしたミシュラン1つ星店で、初めて★5つを差し上げられないという評価になった。
1人700gのオマール海老という表記に偽りありと感じたことや、サービス姿勢に疑問を感じた点があること、ここまで2軒で試したオマールと比較しても価格設定が高いことから★4つも無理で★3つ相当と判断した。
とてもミシュランの星付レストランというプライドがあるとは思えない姿勢が、この店の本当の格を表していると思った次第。

※メニュー:Menu HomardMenu D'Ivan前菜・魚料理肉料理・デザートランチ①

【詳細情報】
店名:Restaurant Ivan Vautier
電話:02 31 73 32 71
住所:3, Avenue Henry Chéron - 14000 Caen
GPS:49.174113,-0.390278

 

【カン(Caen)の風景】

▲左:立派な外壁の城跡  右:ここから入る


▲左:入った所を見下ろす  右:城跡前の公園広場(地下は欧州でお決まりの駐車場)


▲左:こんな古い跡地みたいなものもあれば  右:変な現代風造形物もある


▲城壁内の目立つ建造物


▲左:裏側の門だけど、こっちが正面なのかな?  右:城跡の案内図


▲左:(トラム+トロリーバス)÷2といった感じの乗り物  右:レストランかな?
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ジャンル : グルメ

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R923E

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