ビジネスクラス機内食/スイス インターナショナルエアラインズ:成田(NRT)⇒チューリッヒ(ZRH)
搭乗:2014/10/29 LX161便
評価点:総合★★★☆☆、味★★★☆☆、サービス★★★☆☆、雰囲気★★★☆☆

11月最初の3連休を絡めた今年14回目の海外旅行は、スペインのガリシア州が目的地だ。
特典航空券利用だと往復14000マイルで収めたい所だがチューリッヒ経由でポルトガルのポルトから陸路で入れば可能であることを発見して、昨年10月に台風欠航で乗り損ねたスイス航空(注:正式名称は長すぎるので事実上の旧称で表記する)にも乗れると、ANAの特典航空券で確保した。
(2014/11/6追記:2015年度からの制度変更で私が愛用していた周遊旅行ができなくなるだけでなく、ビジネスクラス利用では必要マイル数のアップと、エコノミークラス利用の一部のケースを除き改悪されます)
またまた乗継便の直前欠航通知で、急遽出発日を1日前倒しにする予定変更を強いられてしまったけど、無事リベンジを果たせることになったというわけだ。

スイス航空の欧州域内路線ではビジネスクラス搭乗経験があるが、長距離路線は初めてという事で、例によって1番乗りで搭乗。
ファーストクラスとビジネスクラスの列に並んだ人の中に日本人はみかけず、完全にアウエー感たっぷりの雰囲気だったが、ビジネスクラス担当の日本人CAさんが2名いた。(前方ブロック担当のようで、私の席には滅多に来なかったけど)

シートはオーストリア航空の新型機のような洒落た感じだが、モニター設備を見るとかなりの旧式のようだ。これって、スイスは1歩進んでいたという意味かな?
前方がやや窮屈な感じはあるものの、ANAよりも幅が広い感じでシートに不満は無い。ただし、前述のとおり機内エンターテイメント設備は今となっては最低水準だ。聴いていたスイス音楽は突然切れまくるし、私はフライトマップしか見ないので構わないが、日本語対応の映画があったのかどうか?(表示メニューに「日本語」が無いのだ)

離陸前のウエルカムドリンクは、シャンペン・オレンジジュース・水からの選択。
スパークリングワインではなくシャンペンというなら、とりあえず味見しておかなきゃと、飲めないくせにお願いした。(もちろん半分以上残すのだが・・)
うん、割と飲みやすい。ANAのスパークリングワインは飲めないが、これなら大丈夫かな。
離陸後の食前酒のおつまみ(アミューズに該当)は、なんと袋入りのアーモンドかポテトチップスの選択。
比較的早めに出してくれる点では評価できるが、どちらか一方を取れって、エコノミークラスじゃあるまいし。
それに、愛用のダイエットコークは、1.5Lペットボトルから注いでくる。ペットボトルからだと炭酸が抜けてしまうのに。
氷やレモンを入れるという発想も無いようで、最初から経費削減を極端に進めていることが見えてしまった。
*****
期待の機内食だが、他社のように複数のコース、例えば洋食と和食というような区別で分けていない。
前菜3種、メイン4種の中から選べるプリフィックス形式のコースになっているのだ。
しかも、日本発の長距離路線なのに、和食が1品も無いという点でも珍しい。(ビジネスクラスでは初めてのはず)
その代わりか、四谷の「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーである三國清三氏のプロデュースメニューが何品か含まれていた。
2012年の SkyTrax Best Business Class Onboard Catering で突然1位に登場した時は(2013年は3位、2014年は圏外)、三國清三シェフのプロデュースと大々的に宣伝していたのだが、今回直前に日本語版公式サイトを見ると何も記されていないので変わっているのかと思いきや、まだ続いていたわけだ。
ちなみに、この2012年の機内食部門で突然1位に湧いてきたことや、2013年にANAが5スター獲得したことで、私はSkyTrax社のレーティングを信用しなくなったのだ。前に比較記事を載せたが、まったくデタラメで恣意的な操作を行っていることは間違いないと思えたからだ。
今回はせっかくなので、三國プロデュースの料理を選ぶことにした。
いつもマークした料理が選べなくなるリスクを減らすために前方席を確保するのだが、注文を後ろの席からとり始めたので半分あきらめモード。ところが、最後なのに難なく確保できてしまったのは、日本人客が皆無の状態だったからかも?
日本人には超有名なシェフの名前でも、西欧人には通じなかったということだろう。

サラダとパン皿が乗ったトレイが運ばれ、間を置かずにバスケットに入った4~5種類のパンがやってきた。
写真を取り損ねたので帰国便で載せたいと思うが、ドイツ系のパンが中心という印象。
その中から唯一のフランス系を1つ。オリーブオイルとバターもバスケットから自分で取らせるという節約ぶり。

サラダに付くドレッシングは、VILLA SERENI というブランド。オリーブオイルも同じメーカーだ。
これはまずまずのお味だが、サラダの構成は微妙かなぁ。
機械カット特有のやや乾燥気味の人参の印象が悪いが、トマトはしっかり味がある良品。

ファーストコース(3択):鴨のスモークと若鶏のミルフィーユ
Smoked duck and chicken millefeuille
スライスハムという感じの鴨のスモークをパイに見立てて、茹でた後に丁寧に細かく裂いた鶏胸肉を挟んでミルフィーユにしてある。その上に、野菜のゼリー寄せ。
非常に芸が細かいのだが、味が一流とはいかなかった。

まず、鴨肉がハムそのもの味で、鴨のロースト的な調理ではなかった点で味が劣る。安い店でおなじみなだけでなく、スーパーでも安く売られている合鴨のスモークという印象なのだ。
鶏肉がほとんど無味で、肉の味のみなのだから、スモークハムのような味で決めると安っぽさが表に出てしまう。

ゼリー寄せのゼリーは、振動の激しい機内食という制約からかかなり硬め。
いかにも量産品という味もいただけない。野菜の出汁を十分に取った形跡が見られないのだ。

メインコース(4択):サーモンの帆立ムース添え、ノイリープラットソース サフランヌードル、トマトフォンデュ
Salmon with scallop mousse, Noilly Prat sauce Saffron noodles, tomato fondue
期待のメイン料理だが・・ちょっとガッカリかな。
ミクニブランドとは思えない、誰が作っても同じという感じのごく普通の出来栄えという印象なのだ。
特にサーモンと帆立ムースは、デパ地下で売っている惣菜との味の違いが分からないレベル。

ムースの中に気泡が出来ている点でも、いかにも量産品という感じ。
蒲鉾ほどではないにせよ、かなり硬めの仕上がりであることは写真の気泡の状態でわかるだろう。
それほど量を作っていないはずなのにこのレベルでは、委託先の製造技術水準も低いはずだ。

ノイリープラットソースは、スイスらしく少しチーズを加えてチーズフォンデュ的な味になっていたが、高級感はまったく無く、単なるベシャメルソースの延長線上にある洋食屋的なソースだった。
トマトフォンデュに至っては丸ごとミニトマトがトッピングされているだけの、普通のトマトソース。
結局、すべて美味しいと感じることができなかった。

デザートはチーズと共にワゴンでやってきたが、実質1種類だけという貧相さ。

前菜とメインの量が少ないこともあったが、チーズも含めて全部をお願いしたのは当然だろう。
でも、男性CAさん、想定外の注文だったのかムスッとした表情を見てしまった。
テーブルに置く際にも言葉を発せず。印象悪いなぁ。

チーズ:スイスおよび世界各国のチーズ・セレクション
まずはチーズから。
少し癖があるので、カマンベールではなくブリーチーズかな?
それと、やはり味の主張のあるハードタイプが2種類。
こちらはスイスのチーズだろう。なかなか美味しい。
ブドウは日本の種無し巨峰だ。不味い山梨産ではなく、長野の須高産だと思う。
我が家では、巨峰は須高産の指名買いなのだ。(出てくるまでは山梨産も買うけど、やっぱり甘味不足で美味しくない)
そうそう、須高産の皮付で食べられる種無し巨峰の一種「ナガノパープル」も、買う店を選ぶが(スーパーはダメ)高いなりに美味しい品種だ。種無し巨峰は不味いというレッテルを張っていたのだが、「ナガノパープル」に出会えてから見直している。でも、従来種の種有り巨峰の方が安いうえに甘くて美味しいけど・・

デザート:カシスのムース
ケーキは、ミクニプロデュースマークの付いていたカシスのムース。
カシスが濃厚で、日本のデザート基準らしく甘さ控えめでまずまずだったが、カシスの味が強すぎるかな?
ややバランス感に欠ける印象を持った。

季節のフルーツサラダ
スイス・チョコレート(リンツ)
フルーツサラダは、メロン、オレンジ、リンゴ、パイン、キウイの5種類が盛られているが、量が少ない点が気になる。
案の定、全員に配り終えた後もボウルの中に大量に残っていたのだ。
日本の航空会社と違って外国航空会社のCAさんたちは堂々と余りもの(?)を食べているので、全部盛りを頼んだ際の反応はそれが理由かも?
最後に珈琲とリンツチョコレートが出てきて、1食目はおしまい。
*****

食事が終わって3時間後、中間食かと思ったらアイスクリームが出てきた。
お決まりのハーゲンダッツではなく、タカナシの「横浜馬車道あいす」。いいねぇ。
その1時間半後に中間食が出てきたが、なんと鮭のおにぎり・ハムサンド・チーズサンドだって!!
まるでエコノミークラスだ。
写真の通り、中身が優れているわけでもなく、安物ボンレスハムと胡瓜。旨いわけがない。
*****
到着前の食事は1時間40分前に開始。メニューには単に
ご到着前のお食事:ご到着前にお楽しみいただける軽食をご用意いたしております。
とだけ書かれていたので、どんなものかと思っていたのだが・・
テーブルにクロスが敷かれ、ワゴンでやってきたのは大皿に入った鶏肉とポテトに、ボウルに入ったサラダだけ。
鶏肉とポテトのどちらにするかと言うではないか。普通なら、付け合せのポテトは一緒に盛るだろうに。

2皿だけ違うサラダがあったので、鶏肉とそれをお願いしたら、ご覧の通りだ。パン皿すら出てこない。
パンは選択の余地はなく1種類だけ。バターとオリーブオイルが用意されていただけ救いか。

シンプルな鶏胸肉の煮込みは、チキンブイヨンの味がしっかり浸みて美味しかった点だけが救い。

2皿しか無かった(ファーストクラスで出した残り?)サラダは、胡瓜の千切りをチーズ風のヨーグルトで和えたもの。
東欧料理的なものだが、もう一方のキャベツやニンジンをみじん切りにしてビネガーで和えただけのものよりは良かったと思う。これは、最前列席を確保した人のアドバンテージだ。

スプーンが残っていたので、デザートが出てくると思っていたら、2種類のミニケーキをトレイに乗せて回ってきた。
もちろん2種とも取ったが、これまた取り皿も無く自分でトレイから手で取ってテーブルクロスの上に直置きするしかない。
なんだか、ビジネスクラスの客として見られていないな。
ファーストクラスのある便では差を付けざるを得ないのだろうが、ANAでもこんなひどい機内食が出ることは無い。
たぶんファーストクラス機内食は、一般のビジネスクラス相当のものしか出てこないのだろう。
ということで、スイス航空の欧州域内線の料理は割と良かったので期待していたのだが、ものの見事に裏切られてしまった。
特に到着前の食事は、長距離路線では過去最悪の水準だ。
さすが、機内食とサービスの悪さに定評のあるルフトハンザの子会社だと納得させられたわけだが、同じ子会社となったオーストリア航空は水準が下がっているものの、他社も下がっている中では相対的には高水準を保っているので、組織の問題とみた。
前述のとおり2012年に突然1位に現れて注目された(させた?)点で、なんとなく悪意を感じてしまうのは私だけではないだろう。
往復ともスイス航空にしたのは失敗したかもしれないと思っているが、いまさらどうしようもないので、帰国便にわずかの期待を残しておきたいと思っている。
一般的に、航空会社の本拠地発の便の方が、優秀な料理が出てくるからだが、無理かなぁ・・
※メニュー:三國氏の紹介、英語版、日本語版、ワインリスト
※ポルトガルのポルトのホテルから、即日登録しました。
☞ ビジネスクラス機内食 航空会社別レビュー&ランキング
評価点:総合★★★☆☆、味★★★☆☆、サービス★★★☆☆、雰囲気★★★☆☆

11月最初の3連休を絡めた今年14回目の海外旅行は、スペインのガリシア州が目的地だ。
特典航空券利用だと往復14000マイルで収めたい所だがチューリッヒ経由でポルトガルのポルトから陸路で入れば可能であることを発見して、昨年10月に台風欠航で乗り損ねたスイス航空(注:正式名称は長すぎるので事実上の旧称で表記する)にも乗れると、ANAの特典航空券で確保した。
(2014/11/6追記:2015年度からの制度変更で私が愛用していた周遊旅行ができなくなるだけでなく、ビジネスクラス利用では必要マイル数のアップと、エコノミークラス利用の一部のケースを除き改悪されます)
またまた乗継便の直前欠航通知で、急遽出発日を1日前倒しにする予定変更を強いられてしまったけど、無事リベンジを果たせることになったというわけだ。

スイス航空の欧州域内路線ではビジネスクラス搭乗経験があるが、長距離路線は初めてという事で、例によって1番乗りで搭乗。
ファーストクラスとビジネスクラスの列に並んだ人の中に日本人はみかけず、完全にアウエー感たっぷりの雰囲気だったが、ビジネスクラス担当の日本人CAさんが2名いた。(前方ブロック担当のようで、私の席には滅多に来なかったけど)


シートはオーストリア航空の新型機のような洒落た感じだが、モニター設備を見るとかなりの旧式のようだ。これって、スイスは1歩進んでいたという意味かな?
前方がやや窮屈な感じはあるものの、ANAよりも幅が広い感じでシートに不満は無い。ただし、前述のとおり機内エンターテイメント設備は今となっては最低水準だ。聴いていたスイス音楽は突然切れまくるし、私はフライトマップしか見ないので構わないが、日本語対応の映画があったのかどうか?(表示メニューに「日本語」が無いのだ)


離陸前のウエルカムドリンクは、シャンペン・オレンジジュース・水からの選択。
スパークリングワインではなくシャンペンというなら、とりあえず味見しておかなきゃと、飲めないくせにお願いした。(もちろん半分以上残すのだが・・)
うん、割と飲みやすい。ANAのスパークリングワインは飲めないが、これなら大丈夫かな。
離陸後の食前酒のおつまみ(アミューズに該当)は、なんと袋入りのアーモンドかポテトチップスの選択。
比較的早めに出してくれる点では評価できるが、どちらか一方を取れって、エコノミークラスじゃあるまいし。
それに、愛用のダイエットコークは、1.5Lペットボトルから注いでくる。ペットボトルからだと炭酸が抜けてしまうのに。
氷やレモンを入れるという発想も無いようで、最初から経費削減を極端に進めていることが見えてしまった。
*****
期待の機内食だが、他社のように複数のコース、例えば洋食と和食というような区別で分けていない。
前菜3種、メイン4種の中から選べるプリフィックス形式のコースになっているのだ。
しかも、日本発の長距離路線なのに、和食が1品も無いという点でも珍しい。(ビジネスクラスでは初めてのはず)
その代わりか、四谷の「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーである三國清三氏のプロデュースメニューが何品か含まれていた。
2012年の SkyTrax Best Business Class Onboard Catering で突然1位に登場した時は(2013年は3位、2014年は圏外)、三國清三シェフのプロデュースと大々的に宣伝していたのだが、今回直前に日本語版公式サイトを見ると何も記されていないので変わっているのかと思いきや、まだ続いていたわけだ。
ちなみに、この2012年の機内食部門で突然1位に湧いてきたことや、2013年にANAが5スター獲得したことで、私はSkyTrax社のレーティングを信用しなくなったのだ。前に比較記事を載せたが、まったくデタラメで恣意的な操作を行っていることは間違いないと思えたからだ。
今回はせっかくなので、三國プロデュースの料理を選ぶことにした。
いつもマークした料理が選べなくなるリスクを減らすために前方席を確保するのだが、注文を後ろの席からとり始めたので半分あきらめモード。ところが、最後なのに難なく確保できてしまったのは、日本人客が皆無の状態だったからかも?
日本人には超有名なシェフの名前でも、西欧人には通じなかったということだろう。

サラダとパン皿が乗ったトレイが運ばれ、間を置かずにバスケットに入った4~5種類のパンがやってきた。
写真を取り損ねたので帰国便で載せたいと思うが、ドイツ系のパンが中心という印象。
その中から唯一のフランス系を1つ。オリーブオイルとバターもバスケットから自分で取らせるという節約ぶり。


サラダに付くドレッシングは、VILLA SERENI というブランド。オリーブオイルも同じメーカーだ。
これはまずまずのお味だが、サラダの構成は微妙かなぁ。
機械カット特有のやや乾燥気味の人参の印象が悪いが、トマトはしっかり味がある良品。

ファーストコース(3択):鴨のスモークと若鶏のミルフィーユ
Smoked duck and chicken millefeuille
スライスハムという感じの鴨のスモークをパイに見立てて、茹でた後に丁寧に細かく裂いた鶏胸肉を挟んでミルフィーユにしてある。その上に、野菜のゼリー寄せ。
非常に芸が細かいのだが、味が一流とはいかなかった。

まず、鴨肉がハムそのもの味で、鴨のロースト的な調理ではなかった点で味が劣る。安い店でおなじみなだけでなく、スーパーでも安く売られている合鴨のスモークという印象なのだ。
鶏肉がほとんど無味で、肉の味のみなのだから、スモークハムのような味で決めると安っぽさが表に出てしまう。

ゼリー寄せのゼリーは、振動の激しい機内食という制約からかかなり硬め。
いかにも量産品という味もいただけない。野菜の出汁を十分に取った形跡が見られないのだ。

メインコース(4択):サーモンの帆立ムース添え、ノイリープラットソース サフランヌードル、トマトフォンデュ
Salmon with scallop mousse, Noilly Prat sauce Saffron noodles, tomato fondue
期待のメイン料理だが・・ちょっとガッカリかな。
ミクニブランドとは思えない、誰が作っても同じという感じのごく普通の出来栄えという印象なのだ。
特にサーモンと帆立ムースは、デパ地下で売っている惣菜との味の違いが分からないレベル。

ムースの中に気泡が出来ている点でも、いかにも量産品という感じ。
蒲鉾ほどではないにせよ、かなり硬めの仕上がりであることは写真の気泡の状態でわかるだろう。
それほど量を作っていないはずなのにこのレベルでは、委託先の製造技術水準も低いはずだ。

ノイリープラットソースは、スイスらしく少しチーズを加えてチーズフォンデュ的な味になっていたが、高級感はまったく無く、単なるベシャメルソースの延長線上にある洋食屋的なソースだった。
トマトフォンデュに至っては丸ごとミニトマトがトッピングされているだけの、普通のトマトソース。
結局、すべて美味しいと感じることができなかった。

デザートはチーズと共にワゴンでやってきたが、実質1種類だけという貧相さ。

前菜とメインの量が少ないこともあったが、チーズも含めて全部をお願いしたのは当然だろう。
でも、男性CAさん、想定外の注文だったのかムスッとした表情を見てしまった。
テーブルに置く際にも言葉を発せず。印象悪いなぁ。

チーズ:スイスおよび世界各国のチーズ・セレクション
まずはチーズから。
少し癖があるので、カマンベールではなくブリーチーズかな?
それと、やはり味の主張のあるハードタイプが2種類。
こちらはスイスのチーズだろう。なかなか美味しい。
ブドウは日本の種無し巨峰だ。不味い山梨産ではなく、長野の須高産だと思う。
我が家では、巨峰は須高産の指名買いなのだ。(出てくるまでは山梨産も買うけど、やっぱり甘味不足で美味しくない)
そうそう、須高産の皮付で食べられる種無し巨峰の一種「ナガノパープル」も、買う店を選ぶが(スーパーはダメ)高いなりに美味しい品種だ。種無し巨峰は不味いというレッテルを張っていたのだが、「ナガノパープル」に出会えてから見直している。でも、従来種の種有り巨峰の方が安いうえに甘くて美味しいけど・・

デザート:カシスのムース
ケーキは、ミクニプロデュースマークの付いていたカシスのムース。
カシスが濃厚で、日本のデザート基準らしく甘さ控えめでまずまずだったが、カシスの味が強すぎるかな?
ややバランス感に欠ける印象を持った。


季節のフルーツサラダ
スイス・チョコレート(リンツ)
フルーツサラダは、メロン、オレンジ、リンゴ、パイン、キウイの5種類が盛られているが、量が少ない点が気になる。
案の定、全員に配り終えた後もボウルの中に大量に残っていたのだ。
日本の航空会社と違って外国航空会社のCAさんたちは堂々と余りもの(?)を食べているので、全部盛りを頼んだ際の反応はそれが理由かも?
最後に珈琲とリンツチョコレートが出てきて、1食目はおしまい。
*****


食事が終わって3時間後、中間食かと思ったらアイスクリームが出てきた。
お決まりのハーゲンダッツではなく、タカナシの「横浜馬車道あいす」。いいねぇ。
その1時間半後に中間食が出てきたが、なんと鮭のおにぎり・ハムサンド・チーズサンドだって!!
まるでエコノミークラスだ。
写真の通り、中身が優れているわけでもなく、安物ボンレスハムと胡瓜。旨いわけがない。
*****
到着前の食事は1時間40分前に開始。メニューには単に
ご到着前のお食事:ご到着前にお楽しみいただける軽食をご用意いたしております。
とだけ書かれていたので、どんなものかと思っていたのだが・・
テーブルにクロスが敷かれ、ワゴンでやってきたのは大皿に入った鶏肉とポテトに、ボウルに入ったサラダだけ。
鶏肉とポテトのどちらにするかと言うではないか。普通なら、付け合せのポテトは一緒に盛るだろうに。

2皿だけ違うサラダがあったので、鶏肉とそれをお願いしたら、ご覧の通りだ。パン皿すら出てこない。
パンは選択の余地はなく1種類だけ。バターとオリーブオイルが用意されていただけ救いか。

シンプルな鶏胸肉の煮込みは、チキンブイヨンの味がしっかり浸みて美味しかった点だけが救い。

2皿しか無かった(ファーストクラスで出した残り?)サラダは、胡瓜の千切りをチーズ風のヨーグルトで和えたもの。
東欧料理的なものだが、もう一方のキャベツやニンジンをみじん切りにしてビネガーで和えただけのものよりは良かったと思う。これは、最前列席を確保した人のアドバンテージだ。

スプーンが残っていたので、デザートが出てくると思っていたら、2種類のミニケーキをトレイに乗せて回ってきた。
もちろん2種とも取ったが、これまた取り皿も無く自分でトレイから手で取ってテーブルクロスの上に直置きするしかない。
なんだか、ビジネスクラスの客として見られていないな。
ファーストクラスのある便では差を付けざるを得ないのだろうが、ANAでもこんなひどい機内食が出ることは無い。
たぶんファーストクラス機内食は、一般のビジネスクラス相当のものしか出てこないのだろう。
ということで、スイス航空の欧州域内線の料理は割と良かったので期待していたのだが、ものの見事に裏切られてしまった。
特に到着前の食事は、長距離路線では過去最悪の水準だ。
さすが、機内食とサービスの悪さに定評のあるルフトハンザの子会社だと納得させられたわけだが、同じ子会社となったオーストリア航空は水準が下がっているものの、他社も下がっている中では相対的には高水準を保っているので、組織の問題とみた。
前述のとおり2012年に突然1位に現れて注目された(させた?)点で、なんとなく悪意を感じてしまうのは私だけではないだろう。
往復ともスイス航空にしたのは失敗したかもしれないと思っているが、いまさらどうしようもないので、帰国便にわずかの期待を残しておきたいと思っている。
一般的に、航空会社の本拠地発の便の方が、優秀な料理が出てくるからだが、無理かなぁ・・
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テーマ : ビジネスクラス機内食
ジャンル : グルメ