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スペイン/バレンシア州:パラドール ベニカルロ[Parador de Benicarló]

訪問:[2014/2/8 21:00]
評価点:総合★★★★★★★★★★サービス★★★★☆雰囲気★★★★☆CP★★★★★
バルセロナから南西に200Kmほど、バレンシア州のベニカルロという街にあるパラドール(Paradors:スペインの国民宿舎のようなもので、ポルトガルのポザーダ(Pousadas)と形態が似ている宿)のオーシャンフロントの部屋を予約した。(€92/部屋)

Parador de Benicarló 入口標識にはレストランの表記も

当地は、EUの原産地名称保護制度(PDO)の対象となっているアーティチョークの名産地で(☞ Alcachofa de Benicarló)、毎年1月末から2月末の間、ベニカルロ・アーティチョーク祭(☞ Festa de la Carxofa de Benicarlo)と題して市内のレストランで色々なアーティチョーク料理を楽しめる。(☞ 公式ページ2014年度版案内書/PDF

フェスティバルメニュー

パラドールのレストランでも「XIX JORNADAS GASTRONOMICAS DE LA ALCACHOFA DE BENICARLO(第19回ベニカルロ産アーティチョーク美食会)」と題した、アーティチョーク三昧のコースが用意されていた。(2014年は1/27~2/28の開催)

旅先では郷土料理を食べるスタンスの私としては、これを食べない訳にはいかないということで、到着時にフロントで2つあったコースの高い方、題して Menu Alcachofa Degustacion 2014(€36.00)を予約した。
実は、アーティチョークは、日本の蕗の薹と同様にその苦味からそれほど好きではなかったのだが、その印象を打ち消すことができるかという冒険でもあった。

以下、出てきた順に紹介しよう。

テーブルセッティング パン

まずはパン。それに、コースに付くワイン(2人でフルボトル1本)と水(1リットルボトル)が用意された。
通された広い部屋はほぼ満席だったので、店内写真撮影は断念。チェックイン時に撮っておけば良かった・・

Aperitivos en mesa
Aperitivos en mesa

アミューズは3種盛。メニューに3品載っていたので選択制かと思って家内とどれを頼むか事前調整しておいたのだが、全部でてきた。もちろん、すべてアーティチョークをたっぷり使っている。

Brandada de Bacalao con Alcachofas
Coc de Brandada de Bacalao con Alcachofas

手前は「Brandada de Bacalao」の変型だと思う。パイ生地の上にアーティチョークを乗せ、その上に干しダラベースのクリームを盛って、最後は卵の生地でコーティングして焼き上げた感じのもの。

Brandada de Bacalaoの断面 しっかり入っているアーティチョーク

こういった手法はフレンチそのものだが、見事に全体が融合していた。
そう、苦いと思っていたアーティチョークがちっとも苦くないのだ。(わずかな苦味はある)

Vichyssoise de alcachofas y aceitunas negras ブラックオリーブ入り
Vichyssoise de alcachofas y aceitunas negras

右上のカップに入っているものは、アーティチョークベースのビシソワーズ。
ジャガイモとアーティチョークが半々という感じだが、やはり苦味は無い。
ブラックオリーブはスライスしただけでなく、低温で揚げてある感じで良いアクセント。

Alcachofas con gulas y Cecina de Morella
Alcachofas con gulas y Cecina de Morella

左上は、ウナギの稚魚(のイミテーション)の下に、アーティチョーク。
トッピングは、イベリコハムだと思う。
皿ではなく、パンの上に乗せて出してくれば、そのままピンチョスになる。

Milhojas de alcachofas
Milhojas de alcachofas y verduras de temporada, queso de cabra y vinagreta, templada de anchoas con tomate seco

続いて前菜の皿だが、ミルフィーユ仕立てになっている非常に凝った料理が出てきた。
アーティチョークとドライトマトをカラメリゼしたようなものを敷いて、そのうえにしっかり水分を飛ばしたガーリック風味のキノコのソテー、その上は茄子とスッキーニの軽いソテー、最後に羊のチーズをトッピングして、オーブンで全体を加熱した感じ。

Milhojas de alcachofasを崩してみた

構造が分かるように崩した写真も撮ってみたが、特にドライトマトのアクセントが抜群。
キノコも旨いし、アーティチョークももちろん美味しい。

単なる欧州の苦い野菜という印象だったアーティチョークを、これだけ違った形で食べさせてくれるのだから、町内20軒以上のレストランが参加して競っている歴史ある祭りの料理だけある。

Suquet de rape con alcachofas y langostinos
Suquet de rape con alcachofas y langostinos

魚料理は、スケ(Suquet)というカタルーニャの海鮮煮込み料理。
しっかりした縞模様のある海老は、ここまでの店で出てきたものよりも格段に良いもので味もしっかり。
ソースにも軽い甲殻類特有の香りがある。

なんといっても特筆だったのは、大きなカットで入っていたアンコウだ。
市場でもあちこちで見られたアンコウだが、透明感と光沢感のある身の美味しそうだったこと。それが、この皿で出てきたのだ。

予想通り、日本のものとはまったく違って市場で見た時の印象通りの食感。
癖の無い味は、ソース(スープ)にピッタリで最高に旨い。
アーティチョーク祭ということで形式的にアーティチョークも入っていたが、まったく不要だ。

Sorbete de Manzana verde
Sorbete de Manzana verde con licor de Alcachofa

フレンチ風に言えば、お口直しのシャーベット。
お口直しという量ではなく、しっかりしたデザートという量で出てきた。

メニューを見ると、これにもアーティチョークが入っているらしいが、ほとんどグリーンアップルという味。
青リンゴ好きの家内は、かすかに入っているアーティチョークのリキュールが苦手ということで、ありがたく2人分をいただいた。何でも化学物質的な味がキツイということだが、確かにそんな味はしたものの、私には気にするほどではなかった。

Tronco de solomillo ibérico asado
Tronco de solomillo ibérico asado con ragout de alcachofas y salsa de trufa blanca

肉料理は、イベリコ豚のロースト 白トリュフソース。
淡白で(スペインにしては珍しく)癖のないイベリコ豚の大きなカット(写真では少なそうに見えるが、150g以上はある)で、ソースが負けると思っていたらとんでもない。
酸味とか甘みの強いソースというわけではないのに、イベリコ豚に実に見事に合うのだ。

単独でソースをなめてみても、特段変わった味というわけではないのに、合わせた時に変貌してしまうソース。
不思議な感じがした。

ragout de alcachofas

付け合せには、お題通りにたっぷりのアーティチョークのラグー。
ラグーというよりは、軽く煮たものを原型をとどめたままソテーした感じだが、これも美味しい。
ホント、なんでこんなに美味しいアーティチョークに今まで出会えなかったのだろうか?

デザート
Brownie de Alcachofas con Helado de Mandarina y Chocolate Caliente

デザートもアーティチョーク!
ブラウニーの中にアーティチョークの中心部分を刻んだものが入っていたが、無理やり入れた感じ。

Brownie de Alcachofas

ただ、添えられているチョコレートソースと合わせていただけば、安い店で出てくるようなブラウニーもしっかりした味に変わってくれた。アーティチョークの存在は忘れられるということ。

もうひとつ、マンダリンオレンジのシャーベットだが、家内が食べたいとスーパーで1袋買ったものと同じ味だった。
コレ、サイズこそ日本のみかんだが、皮が分厚くてむきにくかったものの味が濃厚で美味しいのだ。
さすが、バレンシアオレンジで有名なバレンシア州。柑橘系が美味しいわけだ。

注:バレンシアオレンジの原産地はアメリカのカリフォルニア州なんだそうだ。知らなかった。(☞ wiki

Café Pastelito de alcachofa
Pastelito de alcachofa y Café

最後の珈琲に付く小菓子も、もちろんアーティチョークだ。
何が出て来るかと期待していたが、悪い方の予想が当たってしまった。
アーティチョークの皮の部分を入れたスポンジケーキだった。

パラドールだからスペイン料理が出てくると思っていたが、結果的にはほぼフランス料理だった。
フレンチにはうるさい私だが、完全フルコースにワインと水に食後の珈琲まで付いて税サ込1人36ユーロ
安さだけでも満足できるのに、これだけ水準の高い料理を出されてしまうと星5つを進呈しても良いだろう。

この料理の腕を見れば、通常メニューでも十分期待できると思うが、宿泊客よりも外部からの客の方が多かったことも、この店の水準の高さを表していたと思う。
パラドールの食事は美味しくないと聞いていたので、感動したディナーだった。

3か月後のGWには家内と共に再びスペインに来て6軒のパラドールを回る計画なので、楽しみが増えた。
宿泊するすべてのパラドールで夕食を食べるつもりになっているので、5月上旬から登録することになるであろうレビュー記事も楽しみにしていただきたい。

【詳細情報】
店名:Parador de Benicarló
電話:964 47 01 00
営業:13:30~16:00、20:30~23:00(冬季:20:00~22:30)
住所:Avda. Papa Luna 5, 12580 Benicarló Castellón

大きな地図で見る
 

【ペニスコラ城(Castillo de Peñíscola) の風景】
(☞ Diputación de CastellónGoogle Map


パラドールから気になる夜景が見えたので翌朝出かけてみると、小さな半島にあるペニスコラ城だっだ。
この城を中心とした旧市街地区は、バレンシアのジブラルタルと呼ばれているらしい。


▲入城券(€3.50)代わりの絵葉書は、家内と私で違う種類のものだった

案内書は英語がいいかと聞かれたので「YES」と答えて担当者が取り出すところを見てみると、ナント日本語版があるではないか! あわてて日本語版をお願いしたら、英語版と日本語版を家内の分と2部ずつくれた。
ガイドブックにも載っていないような城に日本語の案内書があるとは驚きだが、€3.50という良心的な入城料にもかかわらず、絵葉書に案内書を人数分くれるという、一昔前なら珍しくなかった光景が見られたのも感動。
いい街だ。(単純!)


▲日本語版のペニスコラ城案内書(クリックすると大きな画像で見れます)


▲左:新市街から城壁の中にある旧市街へ入る  右:城の入口


▲城の上から新市街側を見下ろす。なるほどミニ・ジブラルタルだ。


▲城の中は最近修復された感じで歴史感に乏しい。地下展示場は別料金。


▲左:城の塔から現役灯台を見下ろす  右:Escultura del Papa Luna
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テーマ : 海外レストラン
ジャンル : グルメ

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R923E

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現在 61ヵ国を訪問
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7月:南チロル周辺/イタリア
8月:イギリス⑤,アイルランド
8月:台北/台湾
9月:リトアニアポーランド
10月:北東部/ポルトガル⑧、他
11月:北西部/フランス
12月:Stuttgart/ドイツ
年越:ペナン,他/マレーシア
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2月:メキシコ
3月:セビリア周辺/スペイン⑭、他
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